「ユニパー」のリヤホイールを組み立てます。
走行テスト用のホイールを組み直す仕事があったので画像つきで説明させて頂きます。 フロント同様、ハブを分解しないと作業できないので、取り扱うショップさんの腕の見せ所ですね! エンドキャップとアクスルを抜いた状態のハブシェルにスポークを通します。 ノンドライブ側のみでOKです。 ドライブ側はハブを組み立ててから通します。 スポークを12本通したら、アクスルをハブシェルに戻します~ スポークとアクスルが干渉しないように注意して作業を進めます。 自作のツールを使用します。 ハブ本体を受ける台とアクスルを通しながらベアリングを圧入するアダプターでセットします。 いつもはプラハンマーで叩き込むのですが、スマートな作業に見えないので~ これは,シマノ社のプレスフィット圧入工具です。 最近まで仕事で活躍していましたが、現在は使っていません。 ボルトとナットのみを流用します。 これでなくても汎用のM10ボルト(150mm)とナットがあればOKです。 こんな感じになります。アーレンキーとスパナで徐々に締め上げていきます~圧入具合で玉当たりを調整します。 スラスト方向のガタがなくなるくらいがベスト! 構造上、クィックを締めこんでもベアリングを押し込まない(回転がかたくならない)ので 緩めに調整しなくてもイイのです。 アクスルの装着がすんだら フリー本体を挿入する前に、薄ワッシャーを入れます。 薄ワッシャーを入れ忘れるとフリーが回転しなくなりますので注意してください。 紛失すると代用するパーツがないので分解した時にちゃんと保管しておいてくださいね! フリー本体内のスリーブの位置に気をつけてアクスルに通してください。 アクスルを通していない状態だと、スリーブはフリー本体内で固定されていなく動き回ります。 2個のベアリングで挟まれた状態になっていますが、ベアリングの圧入がきついとスリーブは 固定されてしまい、組み上げた時にフリーの回転が固くなります。 フリー本体を反時計まわりに回転させながら作業すると、うまく嵌ります。 この作業の時にラチェット部に埃等ゴミが付着しないように注意してください。 付着したら洗浄してから組み直してください~ケミカルを塗布するのですが、粘度の高いものを 使用するとラチェットの動きが悪くなります~なるべくフリー用のものを使ってください。 (シマノでも販売しているはずです、シマノ以外には使わないでと書いてありますがOKです。) ドライブ側にスポークを通します。 ここまで済めば、通常のホイールと同じ工程が残っているだけでしょう。 スポークが交差しているところは接さないようにしてください。 スポークの交点を輪ゴムで固定しておくと、仮組み時にスポークへニップルをつける時に役立ちます。 固定しておかずに立てたらスポークが抜け落ちてしまいます。 仮組みが完了しました~輪ゴムのおかげで大変スムーズに作業できました。 輪ゴムで固定しなくても、他に良い方法があるかもしれませんね? 今後、考えていきます~輪ゴムを巻きつけるのは結構面倒くさいので・・・ いよいよホイール組み立てはクライマックスに突入です~左右のエンドキャップを装着してから 振れ取り台にのせて、調整していきます~ドライブ側のスポークテンションは「MAX120kgf」くらい で締めこんでいきます。 一応、組みあがりました~この状態ではまだ「形」になっただけです? ここから、馴染みをだしていきます。 飲み屋に行って「お久しぶりです」と声をかけてもらうくらい になれば、真の馴染み客? 「久しぶり?」っていつも来ていないンじゃないのぉ! いえ、頻繁に来ていなくても「顔」を覚えていてくれるくらいなのが 粋なところ、そんな馴染みになりたいですね? という気持ちでこの「作業」を続けます? 年に一回でも、決まった時期に来店すると、女将が声をかけくれる 「今日はお仕事ですか?」~出張の時にいつも使う店なのです。 「いえ、今日は旅行で来ています」という客の横には家族の姿が・・・ 「お父さんはいつもこのお店に来ているの?」なんて会話が進みます。 「ここのねぇ~裏メニューのシチューは美味しいンだよ!」 まだお酒を飲めない娘さんを気遣いメニューを注文します。 なんだか今晩のお父さんは格好良く見えます~ そんなホイールに仕上げたいですね。 自作の「馴染みの台」を使用します。 アクスルに力をかけないようにします~ユニパーのハブは構造上、アクスルに一方向に大きな力をかけるとベアリングがズレてしまうのです。クィックで双方から締めこむ力ではズレません。 あくまでもスポークにストレスをかけて、ハブやリムへの食い込み等伸びをだしていきます。 全体重をかけず、加減して行っています。 次に再び振れ取り台にのせて調整します~多い時は2~3回この作業を繰り返します。 今回は一度使用したホイールのスポークを全交換したので3回でした。 よくホイールを地面においてリムに力をかけて馴染みをだしている光景をみかけますが、軽量リムだと 曲がってしまう可能性が大!!!安物のクロスバイクのアルミリムで、以前に曲げてしまった経験があるので・・・。 先ほど書いたようにこの方法もアクスルに力がかかるのでやめてください~振れ取り台につけたままするのも NGです。 さぁ、後はタイヤを取り付けて 走行テストをするのみです。 余談・・・ 右の青いフリー本体はユニパー製、左の赤いフリー本体はTUNE製です。 右の画像はそれぞれのラチェットのツメです。 ユニパー製は実測「1.1g」、TUNE製は実測「0.6g」 なんとTUNE製はチタンでできているのです。 フリー1個でツメを3個使うので「1.5g」の軽量化が可能? 形や大きさが似ているので使える(?)と思い、用意したのですが互換性はありませんでした。 形が似ているのでマネしている(パクリ)と思われるかもしれませんが 安心してください~はいています・・・じゃなくて、同じデザイナーが作っているから仕方ない話なのです!
by hattorisports
| 2015-10-14 21:00
| メンテナンス&組み立て
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